白布遊人とは

白布温泉のエリアで「人と遊び」、「自然と遊び」、そして「遊ぶように働く」。

​そんな白布温泉で楽しく暮らす人たちとその仲間たちを「白布の友人」→「白布遊人」と称します。

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奥様の若女将 遠藤央子さんと

​看板猫 かぐらさん

遠藤 友紀雄

Yukio Endou

​湯滝の宿 西屋

山形県米沢市出身。高校卒業後、大学に進学。山形市で就職後、26歳の時に帰郷。創業1312(正和元)年の湯滝の宿 西屋 19代目。天元台×白布リボーン協議会では会長を務め、個性豊かなメンバーの力が発揮できるよう見守りながら、プロジェクトを進めている。

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命を体感する白布の自然

 遠藤友紀雄少年が、渓流釣りをする父の後を追い、白布の沢で見つけたのは、緑の中でひっそりと生きる、小さな蟹でした。「ここは山。海ではないこの場所に蟹がいるなんてびっくりしましたね。数年前、沢の周辺で工事があった際、西屋の駐車場に数匹逃げてきていて。あぁ、沢蟹が暮らせる自然がまだある、って懐かしく思い出したんです」。白布の豊かな自然が自慢だという遠藤さん。中でも宿から1kmほど離れた、源泉の割水や防火用水として使用する水の取水口付近がお気に入りで、気持ちを落ち着かせたい時には、その風景を思い浮かべるそう。「全てを受け止めてくれるような、優しさが漂っていて。最も山の命を感じられる雄大な場所なんです」。厳しかった白布の冬も終わり、これから緑の季節がやってきます。「5月の連休が終われば、山々は朝目が覚めるたびに木々の葉を茂らせ、みるみる大きくなっていくのが分かりますよ。白布は四季がはっきりとしていて、生き物、自然、地球そのものが活き活きと命を繋ぐ様子が体感できるのが素晴らしいです」。

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音楽が好き。
次なる音を待ちわびて

 近所には年齢の近い子どもがおらず、テレビを見たり、ラジオを聴くのが趣味だったという遠藤さん。年の離れたいとこに譲ってもらったレコードに夢中に。いつしかクラシックギターを奏でるようになり、高校生では友人とバンドを組んでボーカルとギターを担当。文化祭ではサイモンとガーファンクルのカバー曲を披露したそうです。大人になり西屋を営む傍ら、バンドに加わり活躍。その後も喫茶店で単独コンサートを開催するなど、いつも軸には音楽がありました。「私自身の活動は年々少なくなったのですが、やっぱり音楽は好き。家族にうるさいと言われながら、寝る前にこっそりギターに触れたり。面白いことに音楽をやめないでいると、繋がりは広がるんですよね。仲良くなったプロのミュージシャンを宿に招き、小規模なコンサートの企画もしました。告知はしませんから、偶然宿泊されたお客様は驚かれます」。歴史ある宿に響き渡る生の音楽に、皆さんうっとり。新型コロナウィルスが収束し、再びお客様と共に音楽を堪能できる日を楽しみにされていました。

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目指すのは「笑顔」。
子どもたちの未来を明るいものに

 昭和36年に米沢と福島を結ぶ西吾妻スカイバレーが開通し、昭和38年に天元台スキー場がオープンしました。白布を観光の拠点にしようと、国民宿舎やユースホステル、植物園や温水プールがあったことも。「夏は登山、冬はスキー、たくさんの人で賑わっていた時代がありましたね。今では交通の便が良くなったことで、日帰りでいらっしゃるお客様もおります。でももっと皆さんに白布の環境を知って楽しんでほしいのです。そのためにも昔は良かっただけではなくて、天元台×白布リボーンプロジェクトによって地域の実力、旅館の実力を磨き、子どもたちの未来を明るいものにしていきたいと思うのです」。コロナ禍でお客様との非接触が求められる時代、それでもより満足のいく旅をしていただきたいと、おしゃべりには方言を加えたり、宿泊スタイルや食事の内容、情報提供などを遠藤さんは日々工夫をしているそうです。

 朝、西屋では看板猫のおんでん、かぐら兄弟がお客様をお見送りしていました。2匹の愛らしさと、ファンにはたまらない猫をイメージしたオリジナルのお土産も人気です。「白布や宿の歴史・文化を引き継ぎながら、お客様、そして家族、地域を笑顔にする取り組みをしていきたいです」。

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SHIRABU YUJIN

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4月に降った雪 書いてあるのは

​標高1126(いいふろ)m

安部 直人

Naoto Abe

新高湯温泉 吾妻屋旅館

山形県米沢市生まれ。創業1902(明治32)年の新高湯温泉 吾妻屋旅館6代目。想像力豊かで、天元台×白布リボーン協議会のメンバーを盛り上げるムードメーカー。「温泉米沢八湯会」「関生産森林組合」でも活躍中。

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エンタープライズ号で
美しき白布高湯の宇宙へ

 湯元駅へお客様をお迎えに来たのは、新高湯温泉 吾妻屋旅館の安部直人さんと、送迎車、通称〝エンタープライズ号″。これから大自然が織りなす非日常の世界へと誘う。「送迎車に表示はされていないのですが、アメリカのSFドラマ スタートレックシリーズに出てくる宇宙船の名前を付けています。スタートレックは1966年の放送以来、ドラマや映画、アニメなど様々にシリーズ展開されている作品で、宇宙船や宇宙ステーションを舞台に、家族愛や友情、未知の生命体や文明との交流が描かれています。国や人種に関わらず人類が一致団結し、異星人と平和的に共存していく様子が面白くて。なかなか知っている方はいませんが、楽しい話題の一つにも。初めて訪れるお客様も、再び訪れてくださったお客様にも、白布で素敵なひと時を過ごしていただきたいです」。スタートレックシリーズ鑑賞が趣味という安部さん。実は白布高湯で過ごす時間は、物語に通じるところがあるのだそうです。「当館は山奥に位置し、一般的に考えると不便な場所にあります。近くにコンビニもラーメン屋さんもありません。まるで、宇宙船の中にいるような。それでも、ゆっくりと温泉に入り自然を感じていると、家族や友人・仲間と普段なかなかできない会話や想いが共有できたり、一人旅の方はじっくり自分を見つめることができたり。お子さんもゲームや遊具ではない、様々な遊びを想像していますね。皆さん気持ちを新たに笑顔でお帰りになります」。日常とかけ離れた白布の湯は、じんわり人々の心を包み、温めているようでした。

見て、聞いて、体感

湧き出す温泉の恵

 「自宅に温泉がない?」「お風呂は沸かすもの?」これは小学生になって初めて気が付く温泉息子あるあるとのこと。コロナ禍では、源泉の価値を改めて感じたそうです。「吾妻屋旅館は100%源泉かけ流しなんです。宿から150メートルほど離れた山手から自噴していて、約50度の源泉を季節や気候の変化に合わせて湯量を調整し、湯船の温度管理をしています。お客様がより快適に入っていただけるよう、特に気を使っています」。また安部さんは、湧き出す豊富な源泉の魅力をビジュアルから感じてほしいと、湯船への注ぎ口を改良。見た目や音にもこだわり、スロー動画など工夫しながら撮影し、SNSで発信しました。「当館のお風呂は冷めにくく、湯冷めしにくい特徴があります。露天風呂では四季折々の風景が魅力で、外気が氷点下になる雪見風呂も人気です」。

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心安らぎ、背中を押す

「基地」の存在

 「宿は旅人にとっての基地、ベースなんです」安部さんは吾妻屋旅館を常連のお客さまが人生のサイクルの一部として捉え、何度も訪れてくれることに喜びを感じているそうです。そして今、天元台×白布リボーン協議会が立ち上がり、事務局である基地ができたことにも期待を膨らませています。「セミナーを開いたり、いろいろな状況を乗り超えるために常に学んでいます。この先もずっと学び続けなければいけません。共通の目的を持った仲間がいて、活動ができる基地の存在は大きいです」。今後協議会では様々な事業を展開していきます。「手つかずの自然とほったらかしの自然は違います。昭和50年代の植樹ブームで植えられた杉の木が、燃料として薪が用いられなくなったことや、安価な輸入材の流通によって伐りだされなくなり、大きく成長。地域は日影が多くなり、白布渓谷や白布大滝の景観も分かりずらい状況になっています。目指すのは〝大正の白布温泉″に描かれたような、穏やかな白布の姿。ドローンを飛ばして、まずはみんなで共通認識を。そして木々の伐採と景観の向上、遊歩道の整備。長い視点で考え本来の姿に戻しながら、維持し続けられるような文化を創ろうと計画しています」。今後白布がどのように変化をしていくのか、目が離せません。

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